愛すべき変態マゾヒストちゃん

本末転倒。

怒られるのが怖くて、いつも大人しく、粗相をしないように気を付けている彼。

だけど、最近粗相が多い。
もちろんあたしは粗相の度に叱りつける。

だって、ちゃんと躾けをしておかないとね。
あたしの犬だもの。

いつものように、大好きな脚を舐める前に履いていたストッキングを脱がすように命じる。

そおっと。
ストッキングを傷めてしまわないように。
慎重に脱がせる彼。

だけどね。
あたし、丸まったストッキングは嫌いなの。

あたしのため息に反応し、身を縮める彼。

始まるお仕置き。
俯く彼に粗相の理由を問いただそうと顎をつかみ顔を上げさせたところ…。

彼は嬉しそうに瞳を輝かせていた。

あれ?
もしかして、この子…。

あたしにお仕置きされているうちに、目覚めちゃった?

あたしが気付かないうちに彼の中でお仕置きがご褒美に変わっていたみたい。

もちろん、お仕置きの内容は即座に『お仕置きをしないというお仕置き』に変わったのは言うまでもない。
(だけど、あたしはそんな彼が可愛くて堪らない。)

ただの変態だった彼は犬になり下がり、どうやら奴隷にまで堕ちるつもりかしら?